さすがにうんざりしてきた2020年のこの渦、
とくに自粛期間中は、こんなときだから色々と見つめ直そうッ!みたいなことを嫌でもしなくてはいけない人が多かったと思うのだけど、私も間違いなくその一人でした。
せっかくなのでここに書いておこうと思います。
(というか、ずっと新作を公開する時にはテーマの解説?的なブログを書いていたのに、
いつからか書いていなかったな。一年に2度くらいのことなのだから続けるべきだったな反省)
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長らくお世話になっていたZOZOTOWNでの販売を終えることになり、(コロナとは関係ないですが)
自身で運営するWEBショップ等を見つめ直す時期がステイホーム時期とたまたま重なった。
そんなときに何人かのお客様とやりとりする機会があり、本当に救われた気持ちになった。
「リトル・モーメンツの集積」
少し前に読み直した本の中にあった言葉だが、
私の洋服作りはこれだ!と読んでいて思った。
私は強烈なアイディアや人に衝撃を与えられるようなパワータイプのものづくりができる人ではない。
コレクションテーマに対して具体的なイメージを作ってから挑むことはもちろんあるけれども、
曖昧なイメージを元に、ここにギャザーがよっていたら、ここにリボンがあれば、スカートがこの丈なら、この色、この質感、そういうことを集めたり積み重ねてバランスを取りながら洋服を作る。好きなものを集めて、寄せて、まとめる作業だ。
洋服作りは1分の1スケールなのが良い。
作ってみて、自分で着てみて、いいか悪いか、なんとなくいい感じなのかいまいちパッとしないものなのかほとんどの場合はすぐにわかる。それが古いか新しいか、その判断もすごく重要なものだと思う。
(その判断が人によって違うのだから、あの人のデザインが好きだ、とかなるのだろうけど)
当たり前のようなことばかり書いているが、この期間はそういう自分の中の何が当たり前で、何が当たり前じゃないのか、
そういうことを考える時間だったのだと思う。
先述した、やり取りをしてくれたお客様たちはその感覚が自分となにかしら近いところがあるからきっとうちの洋服をみてくれているのだろうと思って、こんな時だからこそ、私の本当に本当に小さな世界かもしれないけれどここを大切にしたいと本当に思った。そしてその人たちの日常着を作りたいと思った。私はファッションの高飛車なつんとしたところが好きなので、ある程度緊張感を持って存在させる洋服がまったくないクローゼットはつまらないと思う。それでもあの期間、本当に必要なものだけを選ばなくてはいけない、そんな気持ちにさせられたことを忘れてはいけない。日常着といっても、それは別にTシャツとか、楽なズボンとか、そういうことではなくて、その人がこの街をあるくのに必要な洋服。そう思って作ったのが今回のコレクションです。http://www.red-profile.com/2021aw.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして黄金町バザール2020でやることについても少しだけ。毎年公募によって参加アーティストが選ばれるこの展覧会なのだけど、ディレクターから、今年は公募の他に普段この街で活動・レジデンスしているアーティスト・作家たちみんなに参加して欲しいという意図が伝えられた。(その後コロナ渦に入ってしまい、毎年恒例の海外のゲストアーティストたちの滞在制作が困難になってしまったので必然のようになったが)2年前に参加した時は、この展覧会テーマなら何か作品を作れるかもしれない、と思い企画を出して発表することになった。今回はレジデンスのみんなが参加するということで、それならば私がここにスタジオを構えて今までずっとやってきたことをしよう、普段通りのことをして、この街にはこういう人もいるんだってことを知ってもらおうという思いになった。
ということで、RED Profileのコレクションの展示・販売をします。1ヶ月という自分だけではなかなか出来ない期間のショップです。ぜひお出かけください。
詳細はまたすぐに。